つながる時代の一人起業の勧め

コロナ禍の影響で、世界で起業する人が増えているようだ。


私の周りでは具体的な実感はないが、そういう記事もちらほら目にするようになった。

先日、日経新聞に、地方での企業が増えているという記事があった。

30年近く前の私が起業した時代、第三次ベンチャーブームと言われていた事もあって、起業してIPOするということが当たり前のような雰囲気があった。


このブログでも何度か書いたが、私はSOHOワーカーとして独立したのであって、ベンチャー起業家でも何でもなかった。まして、社会起業家という存在もあまり目立っていなくて、どこかで傍流のイメージだったと思う。


冒頭の記事によると、コロナ禍で地方にチャンスが芽生えているとある。

確かにはこれには同感で、コロナ禍をきっかけに多くの人が自然との共生や田舎暮らしへの回帰が始まっている。地方と都市でのマルチハビテーションも流行の手前ぐらいだろうか。相当なダメージを受けた旅行業や観光業にしてもこのままではない。


全く同じ状態には戻らないにしても、V字回復は疑う余地のないところだ。私が地方で何よりも重要な産業は、自然産業だと考えている。農業、漁業、林業を中心とした自然資源を循環型の経済として活用する考えだ。


いまでも起業というと、IPOやスタートアップを盛り上げる人たちがいるのは事実だ。

そういう商売の世界がある。証券会社もIPO銘柄が必要だし、米国発のスタートアップは何やら革新的な匂いだけはする。

一方で、起業の大多数は中小企業になる。これは戦後も今も変わらない。また、世界でも同じだ。


また、新興国でも起業家は加速度的に増えるだろう。そして、すそ野産業として中小企業群が形成されていく。経済メカニズムの中で中小企業の重要性を知らない人はいないだろう。


こんな背景の中、今密かに一人起業が増えている。先ほども書いたように、私の創業時の感覚は一人起業だ。

一人起業とはどういうことかと言うと、正社員を雇用しない状態と言える。


今でこそ、減ってきたが、日本の企業では社会保険に入らない会社が沢山あったことも事実だ。正社員でありながら社会保険に入らない。ややこしい話だが、こういう今からしたらグレーゾーンもあった。これは私の定義では一人起業ではない。


一人起業と言うのは、常時雇用するスタッフがいないスタイルである。

もっとも、私が独立した以前でも、個人事業主という存在はメジャーだったし、今でも沢山の人が活動している。士業でなくても、個人として独立して確定申告して活動している人がいる。


私は、出来るだけ多くの人が会社員ではなく独立する方が生涯現役時代をフレキシブルに生きられると提唱してきた。個人事業主と、私の言う一人起業家の違いは何かだが、独立と言う点では同じだ。


私が今後期待したい一人起業家というのは、法人として事業をする人である。個人事業主ももちろん事業をしているが、大半の人がコンサル的な仕事や営業代行などの仲介業だ。あとは、教育関係のビジネスといったところか。


私の時代感だが、今はつながる時代である。

ITを上手に使う必要はあるが、やり方次第では世界をつなげてのビジネスの創造もできる。

社員がいなくてアウトソーシングができる。


地方に行けば、地方の住人の方々の困りごとが沢山ある。そこに一人起業家が乗り込んで、新しいコミュニティと重ねて、プロジェクトを遂行する、チームを構成する。学生インターンと連携する。硬直的であった日本も、人の流動化と情報の見える化が進んできた。


こういう時代には、イノベーションの起点とプロジェクト推進の原動力となる存在が一人いれば十分な事業活動は沢山ある。規模ではない。

その事業が必要かどうかの観点だ。

そう言う意味で、一人起業家のスモールビジネスがさらにつながって大きなうねりになる時代だと私は考えている。また、私もそういう人たちともっともっとつながりたい。


以上

近藤昇オフィシャルサイト

ブレインワークスグループ CEO 近藤昇