移住ではなくて移動が現実的である

マルチハビテーションという言葉を聞いたことがあるだろうか?

私も正確には最近知ったところだ。

ビジネスパートナーの伊藤実枝子さんが最近口癖のようにおっしゃる影響が大きい。


ちなみに、デジタル大辞泉で言葉の意味を調べてみた。

マルチハビテーション(multihabitation)とは、

一つの世帯が複数の住居をもち、必要に応じて住み分けること。複数地域居住。


話は私事になるが、会社を創業して以来約30年間近く、移動の日々だった。

神戸で創業して4年目に東京にオフィスを構えた。そして神戸と東京の毎週移動が始まった。


会社員風に言えば、出張である。私の場合は誰かに指示される立場でもなく、必要に応じて自由気ままに色々と動いていた。それに加えて新興国の活動が20年前から始まった。海外と日本を行ったり来たりするのが日常になった。


それが一転した。

ここ2年近くはコロナ禍で国内に落ち着いている。海外にはまだ一回も行っていない。一方で、最近は日本国内の地方を訪れることが多くなってきた。海外に行けない代替えのようだが実は違う。


日本の地方の魅力にすっかり取りつかれてしまったのだ。もともと、田舎生まれ田舎育ちなので、自然の環境で過ごすことの良さは十二分に知っている。

最近は、それに加えてビジネスとして考えても、社会貢献の視点で見ても、実に田舎は奥が深い。


まして、自然にとても近い。やはり人間は自然と調和して共生することが何よりも大切と再認識もした。コロナ禍による怪我の功名であろう。

これは私だけではないはずだ。沢山の人がそういう感覚は持っていると思う。


単純に考えれば、近年、都会に集中しすぎた人を田舎に逆流させる、分散して地方に向かわせる、こんな発想だ。実際に地方自治体はどこへ行ってもおらが町へどうぞ移住してくださいだ。特に若い人にそれを期待する。


確かに、日本の数千とある自治体の中で例えば1割ぐらいがそういう政策であれば実現も可能だろう。ところが、少し大げさに言うと、どこの地方の自治体も移住を望む。もちろん、例外もあるが、やはり自治体の最大の望みは人口増である。


だが、少子化高齢化が急速に進む日本では不可能に近い。仮に部分最適がどこかで実現しても全体最適にはなりえない。結局、移住者の奪い合い、消耗戦の様相も見えてきた。


堅実的なところでは、最近は関係性人口という考え方もある。住民票を移さなくても・・という柔軟な考え方だ。


話は変わるが、北欧のエストニアの取り組みはとてもユニークだ。電子立国のお手本として国や業界ではよく話題になる。この国の面白いところは、電子国民と言う制度がある。簡単に言えば、私も登録さえすれば、エストニアの電子国民になれるのである。


私は2年前に訪問して以来、とても興味がある国の一つだが、まだ、電子国民の登録はしていないが、近いうちにはと思っている。

こういう取り組みは、いずれはエストニアに来てほしいと言うのはあるかもしれないが、住んで欲しいという発想ではない。


私は、こういう取り組みは日本の自治体にとても参考になると思っている。

自治体も電子住民を創めればよい。

そうすると、例えば私なら気に入った自治体、関わっていきたい自治体、だいだい20か所ぐらいの電子住民になるだろう。

そして、年に時々訪れる。単なる活動ではなく、住民として何か役立つことをする。もちろん、本当の住民とは区別は必要だが、気持ちは一緒で良いと思う。


そういうコミュニティ創りを日本で創めようと思う。

移住も大切だが、移動に力点を置く方が、これからの日本の現実的な課題解決になると思う。

多くの方が、マルチハビテーションを快く出来るように、しくみの構築を急ぎたい。ワーケーションは言うまでもなく、社会貢献や農業体験。思いつく活動は幾らでもある。

そんなことを考えてワクワクしている今日この頃である。


以上

近藤昇オフィシャルサイト

ブレインワークスグループ CEO 近藤昇