ウッドショック、災い転じて福となるか?

建築業界を今年、ウッドショックが襲った。


ウッドだから木材のことであるが、海外の輸入に頼っていた日本の住宅に使用する建材の輸入にブレーキがかかったのだ。

原因は米国での住宅需要の高まりである。

経済産業省のHPに詳しく書いてある。

新型コロナがもたらす供給制約 ; ウッドショックの影響|その他の研究・分析レポート|経済産業省 (meti.go.jp)


少し引用して簡単に要約すると、

新型コロナが米国の新築住宅需要をもたらした。その影響で木材の輸入量が不足。国産材の価格高騰にもつながっている。


建築業界、とりわけ住宅業界では大きな問題になっている。

仕事の関係者以外、こういう類のニュースには触れることはないと思うし、仮に知ったとしても普通の人はスルーするだろう。


私は仕事柄、住宅建築に関わっているので、その影響は直接的な方だ。要するに、建築資材としての木材が不足すると、家の施工ができなくなる。仕事がどんどん遅れていくことになる。


ところで、日本には豊かな森林資源があるのは、国民皆が知っていることだろう。



しかし、もともと、日本は森林資源の有効活用が出来ていない典型的な国で、それぞれの地方自治体も自分の管轄の森林資源の再利用の取り組み強化をしている最中だ。


単純に考えて、国産材に一気に切り替えることができれば、ウッドショックも一時的なもので終わりそうに思う。ところが、そうは問屋が卸さないのが、日本の林業の抱える根の深い問題が存在する。


日本の第一次産業全般で、従事者の高齢化で大きな問題を抱えている。加えて、日本の場合は、木材の切り出しから活用までにかかるコストが膨大だ。自然と海外からの輸入の方が安いという流れが出来てきた。また、建材として向き不向きも国産材には存在する。


最近は、日本の森林資源活用のために、木造建築が見直されてきていた。

住友林業社を筆頭に、木造の高層建築も研究開発が進みつつある。とはいえ、こういう分野でもヨーロッパに後塵を拝する。最近は、日本でもCLTという木材加工の技術が広がりつつある。


感覚的なところで考えても、木造建築は健康に良い。まして、コロナ禍で自然回帰や自然との共生の意識が高まっている。


しばらくは、海外の建築資材に比べても割高であっても、努力を続けていけば、コスト的にも遜色なく、需要を満たすことはできるだろう。地産地消が実現すれば、建築産業としても、循環型産業として生まれ変わることもできる。


そもそも、日本の住宅の寿命は短すぎた。

それもあり、空き家問題が日本の大きな課題となっている。

もちろん、古民家再生ブームで有効利用される物件もあるが、これはごく一部に過ぎないし、古民家にしても、そのロケーションや物件の質や価値で選ばれる。


結局は、廃棄物としての建築物や建築資材などが放置されることになる。

今回のウッドショックを機会に豊富な森林資源を活用した建築が日本に誕生する良い機会だと私は思っている。

変革は平時にはなかなかできない。

今こそ、日本の建築産業が変革するべき時であると私は確信している。


以上