仕事の基本スキルはどんな仕事でも身につく

仕事で何が大切かというと、基本スキルと、私はすかさず答える。

基本無くして応用無しの典型である。


もっとも、人間がすることは全てそうで、勉強もスポーツも楽器をマスターするのも全部同じである。基本的なこと、基本的なスキルの基礎ができると、応用は幾らでも出来る。


ではなぜ、人は仕事に限らず人生そのものにとって大切な基本を、なかなか身に付けることができないのだろうか?


基本と応用に分けて改めて考えてみるが、人は楽しいことや快感に感じることには積極的に取り組む。この基本と応用に当てはめてみると、明らかに後者が当てはまる。


応用は自由度が高そうだし裁量権もありそうだし、やり甲斐がとても大きく感じる。そして、結果を出せば、とてもリターンも大きいし自信にもなる。これは先ほど書いたが、どんな世界でも同じだ。


一方、基本というのは、辛気臭い印象がある。地道だしコツコツと何年も下積みをする印象が強い。例えば、日本では特にすし屋の職人に代表されるように、一人前になるのに数年間はでっちの世界であもある。


こういう職人の技を磨く世界は極端なので、一般的な仕事に持ち込むと大変なことになるが、感覚的なものを振り返るには一番良い。やはり、日本には様々な分野の先達がいて、その方たちから脈々と受け付いできたものが基本なのである。

基本無くして応用無し。日本では特に深い意味があると私は思う。


若い頃は特に、仕事の基本と応用の区別はつきにくい。

普通に考えて、駆け出しのころは、会社としても投資な訳である。本来は数年間は基本のスキルを磨くことに専念すればよいのだが、今の時代は、かつての終身雇用制も崩れてきた中で、会社も社員に10年スパンでの投資的教育は難しくなってきている。


必然的に、実務、つまり応用的な仕事をできるだけ早く担当させて、戦力化しようとする。これは企業側にもジレンマがあり、なかなか難しいところだが、世の中の趨勢はこういう動きだ。


だから、気付いてみたら、基本のスキルが身につかないまま30歳を超えたとか、責任ある部署を任せられるようになったという人を、結構見かける。

良いか悪いではなく、時代の急激な変化の中、迷走気味の若手ベテランも増えてきた。

一方、やはり、私の50代以上になると、かつての終身雇用制の中で鍛えられてきた下地がある人が多い。例えば、70歳ぐらいになっても、何か自由度の高い仕事を依頼しても、きっちりと想像以上にタイムリーで的確な報告書が自発的に出来てくる。

こういう時、流石、日本の組織活動というのは凄いということを改めて実感したりする。


では、この急激に変化していく働く環境の変化の中で、どうやって基本スキルを身に付けたらよいかは悩ましい。今後は、誰かに依存する、組織に依存するのではなく、自分が自立して基本スキルを身に付けるように努力するのことが、結局、将来自分が得することにつながる。


そんな時、どういう仕事をしていたら基本スキルが身につくかを知りたくなるのが人間の心情だと思うが、決論は簡単である。

仕事の基本スキル向上は、職種やテーマは関係がない。


私もたまたま、製造業や建設業、サービス業、飲食、ITなど様々な分野の仕事に関わってきたが、日本のビジネス社会は実によくできている。第一次産業もしかり運送業もしかり。すべての分野で高品質、ハイサービスで納期厳守。こういう国なのである。


こういう国で仕事の基礎スキルを身に付けられる幸せをしっかり噛みしめてほしい。

だからこそ、自分がたまたまかかわった分野で、やりたいことでなかったとしても、自分の考え方次第では、仕事の基本スキルを磨く絶好の機会なのである。


以上