“果報は寝て待て”は有名な言葉だが実践できるとなお良い

悩みは人間だけが持っている特性らしい。

私は断言できる程の根拠がある訳ではないが、きっとそうだと思う。


人間以外の動物が悩むことがあるかもしれないが、私自身が人間として、悩み続け早60歳手前という感じだし、周りの人を見ていても、どうやら悩みのない人はいないようだ。


少なくとも私の人生でお付き合いがあった人達の中には、一見、ノー天気という印象の人は少なからずいるが、仲良くなってみると、実際は何らかの悩みを抱えているものである。


だから、自分だけが悩んでいるとか、自分の悩みが特別深いとは考えない。私の心の持ちようとしては、人間は動物だけど、悩むという特性があると常に考えている。

こんなことを考えている時間は、悩みがすっと消えて楽になったりするから不思議なものである。


悩みとは言い換えれば、心の葛藤度といえると思う。人間は本能的に欲がない人はいない。マズローの5段階欲求という有名な話があるが、どの段階だったとしても悩みがあると思う。


食べ物が十分になければ、食べることに関する悩みは生じるだろうし、大金持ちだったとしても、今度は、その使い道で悩むかもしれない。


また、人間は社会的動物であるがゆえに、人を常に意識するようにできている。

競争心やライバル心が全くない人は存在しないと思うし、人間は何かと人と比べたがる。必ずしも比べた結果が劣っているからと言って悩んでいる訳ではない。明らかに、勝っているとしてもそれがまたその人の悩みになったりする。


もちろん、悩み過ぎると体調を壊したり精神的な不調になったりする。だから、過度な悩みはないほうが良いのだが、悩みが全くなくなることも不可能だと思う。


もう15年前頃だっただろか。姜尚中氏の悩む力という本を読んだことがある。細かい中身は忘れたが、若者よ大いに悩んで悩む力をつけなさい。というような主張だったと思う。


私は彼の歯に衣着せぬ発言は好きだったこともあり、この本のタイトルを見た時に迷いなく購入した。私は、すでに40歳を超えていたと思うので、氏の対象読者ではなかったと思うが、本質的には同意するところが多かった。


要するに、悩むことは人間だから当たり前。生きている限りは悩むことはなくならない。だからこそ、悩む力を身に付けて、人生を楽しみましょうという風に解釈をした。私の考えにも近い。


会社経営で悩むことが多いかと言えば、その答えはなかなか難しい。

創業した時と今では経験も違うし判断力も違う。悩みは常にあるが、創業時の悩みと今の悩みは全く次元と複雑さが違う。言ってみれば、子供の悩みと大人の悩みぐらい違う。


そもそも、創業時は、心配が先に頭をよぎる。経験がないからなおのことだ。まして新しいことにチャレンジしようとするタイプだとなおさらだ。


ご多分に漏れず、やはり、最大の心配事は資金繰りだ。あとは、顧客からの大クレーム。脆弱な時は、それが即倒産に結びつく。だがら、悩むと言うより心配を常にしていた創業から10年間だったと思う。


ある程度、経営慣れしてくると、妙に世の中が見えてきて、ますます悩みは増える。どう進んだらよいか?この方向は正しいだろうか?戦略や戦術という言葉にかぶれ、余計な悩みも増やししまう。


私も40前後でおもいっきり人生の選択で悩んだことがある。スランプになったのが先か悩みだしたからスランプになったのかは分からない。そんな時は、たいてい人生メンターの一言で蘇る。


人生なるようにしかならない。明日は明日の風が吹く。我ことに後悔せず(宮本武蔵)。人間万事塞翁が馬。も嫌いではない。

あれから、もう10年はとうに越えた。私は、悩みで寝られない日はない。

仮にとんでもないぐらいのトラブルを抱えていたとしても、まずは寝る。


なぜなら、まずは、体力をしっかり蓄える。心身ともに健康でなれば苦難は乗り切れないからだ。そして、もうひとつは、寝ると不思議とひらめいたり、思考回路も好調になったりする。


これだけでも、さっさと寝る意味がある。

それが、果報は寝て待てとはそういう意味ではないだろうかと確信している。


姜尚中氏の悩む力。人生、生きている限り、悩む力を向上していく必要を実感している。この先、人生で経験のない失敗やトラブルが起こらないとも限らない。

そんなときのためにも悩む力を鍛錬して、いざという時は、しっかり寝ることを優先したい。


以上

近藤昇オフィシャルサイト

ブレインワークスグループ CEO 近藤昇