オンラインとチャットで仕事が変わり組織が変わる

ここ数年の仕事環境の変化は目まぐるしい。

特にITツールに翻弄されている。


仕事の基本で欠かせないのは、

円滑なコミュニケーションとタイムリーな情報共有だ。

両方とも随分前から重要な仕事スキルで上位に登場する。いずれもITプラットフォームやITツールの登場と進化に連れてやり方が劇的に変化し続けている。


まずは、前者のコミュニケーションであるが、SNSの登場で急速に人つながりが増えた。その分、コミュニケーションが複雑で多様になった。


一方で一つずつのコミュニケーションの重みはなくなってきている。いわば軽いコミュニケーションが増えた。その象徴が乱立するチャットというツールの普及だ。


もともと、インターネットが世の中に登場し、チャットが私的利用で使われだした。家族間や友達同士には確かに向いていた。あれやこれでも通用する間柄だから。それが最近は、SNSと共にチャットが、仕事の場面でも定着した。


同時に公私境目のないやりとりも定着してしまった。もともとITに習熟していてコミュニケーションリテラシーの高い人なら、何とか便利に使いこなせる範囲ではあるが、平均的な人は混乱が増しているだけである。


後者の情報共有への取り組みは、概ね20年前ぐらいから、日本では盛んになった。

最初は、企業の組織内での情報共有化の取り組みであった。それが今や行政やマンションの管理組合に至るまで、極端に言えば、あらゆる社会生活の中で、情報共有化が疎かになることによる問題が露見してきた。そして情報共有化できていなことに様々な問題の原因があるとする考えが定着してきた。


今や情報共有は、企業の中での話を越えて、市民生活でもとても大切なものになった。特に、このコロナ禍で過剰すぎる傾向はあるにしても、情報共有化があらゆるところで、話題になっている。


そして至る所で、情報共有の不全が原因で問題が噴出している。

地方自治体別の対策と、国の対策の食い違い。医療関係の人達との一般市民のギャップ、若者と私たち世代のコロナ禍に対する捉え方の違い。必要な情報がタイムリーにいきわたらないことで、誤解による問題も大きくなっている。


話は、企業という組織に戻して進めるが、コミュニケーションと情報共有を進めるためのITツールは、今であれば、オンラインとチャットが主役だ。


まず、従来の組織を考えてみる。

20年前であれば、よっぽど先進的な会社であれば、いわゆるTV会議は使っていたところもあったが、一般的には皆無だ。あとは、電話で会議と言う形態もあった時代でもある。


基本は、人が集まるのが当たり前だった。必然的に打合せのスペースが必要である。また、会話の機密性が高ければ、それなりの仕様の会議室が必要になる。直接会って、五感で確かめ合って熱意も共有できる。

全国展開する会社が年に一回、東京に集まって支店長会議をする。ホテルなどの予約は日常でこういう会議や懇親会でいっぱいだった。


時代は元には戻らない。今は、不便やストレスはあるにしても、オンラインで会議が出来ることに多くの人が気づき、実際、使い慣れてくると結構便利だねと言い出した。あるいは、こういう使い方したらよいねという工夫があちこちで生まれている。


しかし、オンラインで不自由なく仕事することに関しては、最低でもあと数年は習熟する期間が必要だと思っている。オンラインの機能もそれに合わせて進化するだろう。

ほとんどの人が同じ意見だが、オンラインは疲れる。であれば私が思うに使う時間を短くすることが最善だ。


1時間の会議を30分、30分の会議を10分。これで会議の密度が落ちる、成果が半減する。それは思い込みではないでしょうか。そもそも、会議は準備で80%は成果が決まると言っても過言ではない。


オンラインで準備はしないわけだから、アナログの時間は変わらずしっかりとキープできる。流石に今どきパソコンは使わない手はないと思うが・・・。それはオフラインでも一緒だ。


では、チャットはどうだろうか?

私も仕事柄、頻繁に使うがこんな危なっかしいものは無いと思っている。言い出したらきりがないが、簡潔に書くと、あるべき情報共有化というのは、好き勝手にして良いというものではない。


ある程度の決まりや仕組みに則って、情報は共有して活用しないと、公私や真偽入り交ざった、トラブルの温床になる要素を含んだ情報が飛び交うことになる。 


だから今、自由度が高すぎるチャットに依存した仕事は危険なのである。しかし解決策はある。チャットでの端折ったやりとりの行間を埋めて、正確な情報に整形してくれるAI君でも作れば別だ。


でもこんなことしだしたら、人間がする仕事が本当になくなってしまう。

今は明らかに過渡期ではある。従来の組織と新しいツールの整合性がとれていない時代である。組織の変革をどう進めるか、悩ましい課題ではあるが、明るい未来でもある。


以上

近藤昇オフィシャルサイト

ブレインワークスグループ CEO 近藤昇