知的健康生活をお勧めしたい理由と私の取り組み

知的健康生活という表現を聞かれたことはあるだろうか?
 
株式会社ライフカルチャーセンター(LCC)の代表の澤登信子さんが提唱しているシニアの生活スタイルである。
 
 
 


 
私は、澤登さんからこの言葉を初めて聞いた時から、とても関心を持っている。
 
似たような言葉の知的生活という言葉は結構一般的だ。ネットで調べても沢山情報が出てくるし、知的生活に関する本も意外と多い。
ここ最近、知的生活をキーワードに色々と本を読んだり考えたりする機会が増えた。
 
知的好奇心という言葉もある。
数年前に、知り合いのセミナーに登壇した時に、近藤さんは知的好奇心が旺盛だね。と言われたことが今になっても気になっている。
なぜかと言うと、私は感覚的に自然体でふるまう中で“好奇心が強いね”と言われるほうが好きだからだ。
おかげさまで、あれから事あるごとに、知的好奇心とは何かを意識するようにもなった。
 
澤登さんは知的健康生活について以下のようにおっしゃる。
かしこく、活き生きと、健康寿命を伸ばしていくための暮らし方。
世にあふれる情報の中から自分にとって本当に必要で正しいものだけを選択し、無理のない範囲で<自分のため><家族や仲間のため><地域のため><社会のため>を実践していく生活。
 
 
 
澤登さんとは、シニアの豊かな生活や暮らしをサポートする活動と仕組み創りを一緒にさせていただいている。
 
ちなみに、知的を英語で言うと、インテリジェンス(Intelligence)となり、ちょっとエリートっぽい感じになってしまう。
知的というのは、知識が豊富とか見識が高いとか、一般的には勉強ができる、仕事ができるイメージに近いものがある。仕事をする世界から考えたらこの方向に連想してしまう。
私が気に入っている知的とは少しニュアンスが違う。
 
一方で、仕事から離れ、生活する、暮らすという視点で知的を考えたら、自然と生活の知恵や豊かに暮らすためのコツ地域の文化や伝統などが浮かぶ。澤登さんが提唱する知的健康生活はこういうニュアンスだと思っている。
 
 
 
具体的に、定年になったシニアの姿を思い浮かべてみる。
一流企業で役員まで上り詰めたビジネス戦士。年齢は団塊の世代である。65歳の定年で引退してから数年たつ。
ビジネスの世界では光り輝いていた人が、地元の暮らしのコミュニティでは存在感を発揮できない。地域の人間関係になじめないこういった実例は枚挙に暇がない。
これは決して単純に街の掃除を一緒にするとか、町内会に積極的に参加するという話ではない。もちろん、こういう地域特有の人間関係の発展と維持のためには、欠かせないお付き合いであり、マナーでもあるとは思うが、知的生活としては不十分だ。
 
シニアの方のハッピーライフを応援したり推進する活動の中にQOL(Quality of life)という言葉もよく登場する。
私も拙著“もし波平が77歳だったら”にも書いた。
 


 
このQOLというのは、横文字の頭文字ではあるが、なぜか結構ソフトで日本語になじむ。
日本語でシンプルに言えば、人生の質を高める質の高い人生を送るになる。私が思うに、QOLの実現には、知的健康は欠かせない。
 
一方で、シニアの方は健康を害する可能性は高い。心身ともに健康であるのが理想である。病は気からという言葉の意味が、そろそろ心身に染みる年齢に私も到達したし、やはり健全な心がなによりも大事だと思っている。
知的健康はそういう意味にも解釈できる。
 
今、ビジネスの世界を中心に不健全が横行している。日本だけでなく世界中が不健全に支配されつつある。
こんな時こそ、幾多の辛苦や困難を経験し、豊かな人生経験があるシニアが、健全な生き方、健全な暮らし方を自信をもって実践して欲しい。そして日本のシニアが自らお手本になって、後世や世界に対する良い影響を期待したい。
 
私もシニアと共に知的健康生活を拡げる活動を始める考えである。
まずは、澤登さんのLCCと連携して、知的健康生活マガジンを発刊し、情報発信する場を創る。そして、知的健康生活をするシニアがつながり、続く世代も知的健康生活を志向すれば、日本は生まれ変わると確信する。
 
 
以上