ファーストペンギンとセカンドペンギンの違い

どうも私の周りには、へそ曲がりな人が多いようだ。

まあ、いきなり、こういう表現を使うとその方々にお叱りを受けそうだが。

実は、本音は皆さん、嫌いではない表現だと思う。少しいいかえると、他人と違う事をしたい、人のまねをしたくない。となる。


特に創業系の経営者に多い。

もちろん、ビジネスとは限らずアーティストや作家など職人気質の人にも多い。言い方を変えると、そういう経営者も職人気質と言える。


人のことを評論している場合か!!と、先輩諸氏の方々から声が聞こえてきそうだが、そういう私もとにかく、自分の道を行きたいタイプだ。


ただ、誤解があるとはいけないので、一応断っておくと、他人はどうでも良いと言う意味ではない。少なくとも、私もつながっている方々も、他人のために自分の道を貫くという感じだろうか。


話は変わるが、ファーストペンギンという言葉がある。というよりそういう表現と言ったほうが良いだろう。結構、へそ曲がりな人がする行動は、ファーストペンギンに近い。


ネットのシマウマ用語集から引用すると以下のようになる。

ファーストペンギン(the first penguin)とは、群れで行動するペンギンのうち、魚を捕るために一番最初に海に飛び込む勇気あるペンギンのこと。そこから転じて、ベンチャー精神あふれる起業家や、必要以上にリスクを恐れずに新しい挑戦をする姿勢のことを表す。


さて、皆さんは、当てはまるでしょうか?

先日、私が関係する出版会社から“私がファーストペンギンになれた理由”を発刊した。


ビジネスパートナーの小粥おさ美さんが著者だ。実は、小粥さんと連携して"ファーストペンギンを探せ"というブレインナビオン本のオンライン番組を運営している。


今回は、へそ曲がりな私としては、ファーストペンギンで盛り上がるのも大事だが、セカントペンギンの事も考えてみる。当然、サードペンギンもいるだろうし、そもそも、それ以下になると集団行動になるので、順番も付けられないと思うが・・・。


今回は、シンプルにファーストとセカンドの違いで考える。一つはビジネスの視点、もう一つはメジャーリーグへの挑戦の話、そして遺伝子学的な観点である。


まずは、ビジネスで考える。

日本のかつての高度経済成長時代は、セカンドペンギンが活躍したと言われた。マネシタで有名な松下電器がその象徴だ。今は、バナソニックになって、随分、社風も変わったと思うが、私が働きだした頃、日本は、先進国欧米の真似をするのが上手な国と教わった。

正確に言うと、誰かが具体的にそう教えてくれたわけではなく、ビジネス全体にそういう雰囲気があった。

要するに、他者の成功事例を如何に活用するか。当然、そういうことだけを指南するコンサルティング会社が大流行だ。

とにかく、成功事例を探して、マネする。改良する。新たな別のマーケットに投入する。ある意味、成長著しい既存業界に異業者から参入する、こういうのもその類だ。

こういう事例は枚挙に暇がないが、セカンドペンギンの役割はビジネスにおいてもとても重要なのである。これは今でも変わらない。


次に、メジャーリーグへの挑戦の話。これはファンなら誰でも知っている。イチロー選手、松井選手、大谷選手筆頭に凄いプレーヤーが沢山活躍してきた。そして今もである。

だが、私が一番好きなのは、野茂英雄投手である。その時代、日本国内には反対者だらけだった。野茂さんがいたから、今がある。こんなストーリーが個人的にも大好きだしそうなりたい。


最後に、遺伝子学的な話し。リチャードドーキンスの著書、利己的な遺伝子から知恵を借りる。


遺伝子は、種の保存のために、それぞれの個体に組み込まれている。とすると、ファーストペンギンは、自分が犠牲になるかもしれなくても、残りの遺伝子の存続に貢献する役割がある。

一方、セカンドペンギン以降は、ちゃんとファーストペンギンの行動を見て、自分が生き残るように行動する。これも遺伝子のなせるわざ。


こう考えると、ファーストもセカンドもそれ以降も、常につながって影響し合っているのである。このつながりや影響がなければ、そもそも、ファーストもセカンドもそれ以外もないのだ。

こういう動物としての習性と言うのは、とても感心するばかりである。


以上

近藤昇オフィシャルサイト

株式会社ブレインワークス 代表取締役 近藤昇