思い込みに如何に抗うかを考えてみる

思い込み。

このキーワードは思いのほか、日常会話でよく使う。


例えば、“あの人、思い込みが激しくて付き合うのは大変だ”、“知らなかった。小さい頃からそう思い込んでいた”、“思い込みで仕事しないようにしなさい”。 

まあ、こんな感じで色々と思いつくし、私も今日にも社員や誰かに対して口に出してしまうかもしれない。仮に言葉にしなくても、心の中でつぶやく頻度は多い。


このテーマで、人と積極的に議論したことはないが、私は、自分自身の思い込みはできるだけ排除したいと思っている。

思い込みと近い言葉に勘違い。というのがある。

なんとなくわかるが、念のため、ネットで調べてみた。


「思い込み」は「そうであると固く信じてしまうこと」。

「勘違い」は「たまたま間違ってそうだと思うこと」。


「継続して続くものか、一時的で終わるものか」という点が違う。


なるほど。勘違いは日常茶飯事だし、ちょっとおっちょこちょい。という印象もあり、愛嬌がある。人付き合いにおいてあまり支障はなさそうだ。


一方で、“思い込み”は、やっぱり、私には少なくともポジティブには取れない。

思い込みの激しい人は付き合うのは中々しんどいのである。

この人間の本能的な特性から生まれてくるような思い込みという行為や癖。

ビジネスをする上では、とてもやっかいである。


ところで、国レベルで政治の世界になると、情報統制と言う結構シビアな強制力によって、国民の思い込みは強固なものとなる。今回はこの議論は除けておいて、一般的に私たちが働く場面での思い込みに抗う事を考えてみる。


仕事で失敗したり、進化したりしない人の特徴として、やり方を変えない、確認不足、リスク認識が甘い、楽観的すぎる・・おおよそ、こんな特徴が浮かぶ。


こういう人に、どうしてそう考えたのか?どうして、そう行動したのかを確認すると、決まって返ってくるのが、そう思っていました。である。

私なりに単純に理解すると、これは、自分が思いついたからそう思った、そう行動したということと解釈する。


そもそも、自分以外の人ならどう考えるか?違う意見があるのではないか?3人寄れば文殊の知恵と言うことすら、知らないというか浮かばないように思える。


更に、突っ込んで、なぜ、そのやり方で正しいと思うのか?と突っ込むと、決まって答えのパターンは一緒だ。

今までもこうだったから。マニュアルにこう書いてあったから。前はこれで上手くいったから。前任者からそう引き継いだから・・。なるほど、もっともらしい言い訳である。


私も正直、勘違いは四六時中するし、思い込みも時々はある。だからこそ、人間と言うのはそういうものだと考えて、いかに思い込みに抗うかを考えるだけではなく、実行することが重要だ。


具体的にどうするかと言えば、まずは、鵜呑みにしない。言い方を変えれば常に疑って考える。

何事にも常に改良点や改善ポイントがあるとして考察する。エクセレントな企業の習慣としては当たり前だが、私はこういうことができるのは優秀な集団だからできることだと思っている。


一般的には、思い込まないようにするコツは、最初に自分が考え付いたことを、常に疑う。第三者から意見を聞いてみようと思う。

仮にそれがすぐにできないのであれば、自分が考えたことを、ああでもないこうでもない。と考えてみる。

当然、一回二回では意味がない。常に疑って考える習慣を身に付けることである。思い込みが激しいと言われる人は、思いついたら、行動する前に自分の思い付きを疑って考える。


最後に別の視点の話しをする。

思い込みの激しい人と、コミュニケーションするのは何歳になっても骨が折れる。特に相手が高齢になると、大変だ。


そういう時、相手が変わると思わないようにする、つまり諦めるというのが無難だが、それはそれで自分の思い込みであるかもしれないと、最近は思うようにしている。

思い込みに抗う。人間にとってとても奥の深い難題である。


以上

近藤昇オフィシャルサイト

株式会社ブレインワークス 代表取締役 近藤昇