ITの本ほど陳腐化が早いものは他にない

今年の後半、オフィスの構え方を変えたこともあって、保有するかなりの書籍を一斉に棚卸した。

そしてこれからも必要とする本は新設した書棚に並べた。


日常、新しい本は買うが特にコロナ禍になってからは、1か月に平均20、30冊以上は購入してきたので、一気に未読の新刊も増えた。いわゆるつん読状態だ。

しかしながら、つん読だけでも結構ためになるものだ。特に書棚にさしみてみると、書籍全体の見え方が違ってくるから不思議だ。本同士の新たな関連性が生まれるのである。


私の保有する本は、大半は仕事に関連する専門的、個別的な内容になる。それを自分のセレクトや目利きでカテゴライズして並べ眺められる状態にするだけで脳の新しい動きが始まるのが分かる。

いわゆるRASが働きだしたことを感じる訳だ。そして、目当ての本を眺めていて近くにある別の本に新たに関心が出来たりする。これは新刊とは限らない。

こういうのが、書棚の良さというか価値の再発見である。


そしてここ最近一気に書棚に増えたのが、環境、農業のあたりになる。農業はビジネスでも力を入れているが、それよりも個人的な関心が勝っている。特に、アグリ関連の本は新刊にも興味が湧くが、中古が断然多い。良書が沢山ある。随分前から時代に警鐘を鳴らしている本も沢山見つけた。数十年前の本も幾つも買った。


本を実際に読めばまた新たな本を見つける手掛かりにもなって、拡がりは尽きることがない。そのうち、農業などは数百冊になろうかと言うぐらいつながりと蓄積の深さを感じる。


書棚に整理する際に、過去の本を色々と見つめなおした。私は必ずしも、過去の本の全ては捨てない。どちらかと言うと、残していたい方だ。


だが、それは限界がある。書棚には入らないし、紙の本を保存するには、結局場所を占有するのでコストがかかる。また、だんだんと、本の重さが堪えるような年齢になって来た。段ボールひと箱を抱えるのには、そろそろ少々往生する。


一番多く保有していたIT関連の本はかなり処分した。数の問題でなく中身である。

IT関連の本と言っても沢山の種類とジャンルがある。

経営の考え方や業務改善から始まって、ツールの使い方本も沢山ある、日進月歩過ぎる業界の宿命だが、次々と目新しい本が生まれる業界である。科学技術の特徴と言えばそれまでだが、単純に考えても、こういうのをキャッチアップして仕事するのも大変だ。疲れるだろう。


一方で、昔と変わらないこういう世界の仕事も現代では存在している事実に、他人ごとのように感心する。

逆にIT業界として、変わらない普遍的な考え方やノウハウは何なのかを、改めてみて、また、本などで発表したくなる。


いずれにしても、IT系の本は、スマホやパソコンの操作系やノウハウ系の本も多いし、アプリケーションの解説本も多い。こういう本は3年も経つとほぼ使い物にならない。

日進月歩の歴史を振り返るのには役立つことがあるように思うが、それなら3年に1回ぐらいの感覚の本で十分だ。


こんなことをつらつら書きながら、やっぱり、IT業界はどこか間違っていると思うのは私だけだろうか。便利を求め過ぎて不便が増える。ストレスも溜まる。


農業や環境のように、本質的に大事なことは数十年前、特に農業に関しては100年以上前から変わらぬ普遍的で本質的で大事なことが沢山ある。そういうことを学べる良書も沢山ある。IT業界もそろそろ100年先を見据えた、健全なビジネスやIT活用ができる業界に進化させたいと改めて思う。


以上

近藤昇オフィシャルサイト

ブレインワークスグループ CEO 近藤昇