オフショアは今や世界で出来る時代

オフショアという言葉は、決して一般的でない。


本来は、IT業界で拡がってきた言葉である。

海の向こうへという意味で、簡単に言うと、IT業界でオーソドックスな仕事のソフトウェア開発を、海外で行うことだ。



知る人ぞ知る。

あまりにも有名な話では、シリコンバレーなどのITのメッカから、インドにオフショアが始まったのが、もう30年以上前である。

その結果、インドはIT立国となった。


製造業に例えたら、中国が、工場のアウトソーシング先として一気に基盤を構築したのと同じだ。せっかくなので補足すると。日本から見た、製造業の海外移転は概ね、次のような流れだ。


最初は、トヨタが進出し、そのすそ野産業の発展でタイが一気に工業立国化した。

タイに行けば、日本を感じるのはそういう背景がある。今のタイがあるのは、トヨタのおかげと言う声も強い。当然、成長モードに入った国は、人件費が上がってくる。


製造業のコスタダウンの重要な要素に人件費がある。

だから、自然と、まだ発展途上で安価な労働力を求めて、中国へと移っていく。

もちろん、こういう流れでタイが衰退したわけではない。今も健在だ。


そして、チャイナプラスワンで最近は、ベトナムが注目を浴びている。

ベトナムもまた同じように年々、人件費は上がってくる。次はミャンマーか・・と模索が始まったところにコロナ禍が発生した。


この先の安い人件費を探し求めての製造業のアウトソーシング先の新たな発掘はとても心許ない。そういう意味では、製造業のあり方は大きなパラダイム転換の時期である。


では、製造業と比べて、ITはどうなのか?

周知の事であるがITは一人でも仕事ができる。パソコンを中心として開発環境を準備できれば、あとは、そのエンジニアのスキル次第だ。


とは言え、やはり、アウトソーシングする側からは、人件費が気になる。

こちらも、製造業と同じように人件費は高くなっていく。


私の会社では、もともと、25年ぐらい前に、上海から10名ほどエンジニアを採用して、日本に来てもらったことがある。この頃の中国は、全くの新興国で、上海の古い高層マンション群の建て替えが始まったばかりだった。今の先進都市の様相はそれ以降のことである。


この時代に、日本からの中国へのオフショアが始まった。


この時代は、日本企業はオフショアには消極的であった。最大の理由は、情報セキュリティの問題と、プロジェクトマネジメントの困難さである。後者の中で特に問題なのは、言葉と仕様書の書き方、それと品質管理である。


この頃、オフショアにチャレンジした会社は相当な苦労をしたことは容易に想像できる。そして、大連がオフショアのメッカに急成長した。

中国に遅れる事、約10年。今は、ベトナムへのオフショアがホットだ。


私の会社では、2000年から、ベトナムで日系第一号として現地法人を作ったので、ベトナムのオフショア、現地IT企業の変遷はつぶさにわかる。


今、私たちは、アフリカのルワンダでオフショアしている。

昔だったら、とても驚かれたことだと思うが、特段、そういう顧客からの反応はない。


世はコロナ禍で、通信環境の違いがあるとはいえ、一気に、オンライン活用が進み、在宅ワークが世界中で拡がった。これはIT系の仕事をする人には絶好のチャンス到来である。


反対に日本の経営者から見ると、日本人の優秀なITエンンジニアの確保は至難の業である。これは今に始まったことではないが、日本の場合は、職業選択の幅が多く、IT業界だけに優秀な人が集まって来ないという根本的な背景がある。


一方、新興国は、産業の発展と言っても中長期の話しで、やはり、個人でも勝負出来て、世界中の仕事ができるIT系の仕事は、とても魅力的である。

優秀な人がどんどん、IT業界に入ってくる。

全ての新興国がIT立国にと言うのは現実的ではないが、近い将来、日本のIT分野は新興国のITエンジニアに支えられる日は目の前に迫っている。


以上

近藤昇オフィシャルサイト

ブレインワークスグループ CEO 近藤昇