AIは人知を結集して、健全に平和利用されないといけない

DXやAIに代表するバズワードが相変わらず新聞をにぎわしている。

実際に、日々お付き合いしている経営者と話しても、影響を受けているのは疑う余地はない。

本業として、IT支援を長年行ってきた私としては、今こそ、お役に立ちたいと決意を新たにしているところである。

少し前になるが、8月8日の日経新聞一面にAI研究の記事が大きく掲載された。

記事によると、AI研究で圧倒的な存在感の中国がこの分野において米国を逆転したとある。

日本でもAIブームが始まりだした数年前、まことしやかに業界で話題になっていたのが、すでに日本のAIは中国に圧倒されているということだ。

まだ、その頃は知る人ぞ知る話だった。

私もその情報を知って、正直驚いた。

もともと、中国は、優秀なエンジニアがシリコンバレーなどの米国のITの集積地に沢山留学したり働いたりしてきた。製造業などと違って、知的な労働力は容易に国境を超えることが出来る。もともと、中国人は優秀でしかも人口が膨大だ。

新興国の小さい国が、知的頭脳を活かすために、IT立国化する流れも世界のトレンドではあるが、やはり、エンジニアの数で圧倒する中国は強い。

一昔前は、ITの世界のアウトソーシングセンターとしてインドが席巻していた。バンガロールなどITが集積した地名はあまりにも有名だ。

この20年でITに関しては、劇的な進化を遂げている中国。

未成熟な生活インフラや産業インフラでのIT活用の進化は群を抜いている。

それに加えて、高度なAI研究においても、世界のトップを走り始めている。

しかし、この短期間の発展は目を見張るものがある。

いうまでもなく、優秀な人材に加えて、豊富な資金力も必要だ。

今の日本が太刀打ちできる領域ではない。

中国の強みは10億人を超えるマーケットがあるということと、それに加えて、様々な社会的検証ができるという事だ。

また、すでに新興国での覇権争いは有名なところで、東南アジアやアフリカの様々な国の社会インフラ投資も圧倒的である。

ITもAIも、製造業などの産業の進出に比べると、ハードルがとても低い。

しかも、情報がつながるという点においては、脅威にもなりえる。


私は、もともと、新興国でビジネスをするようになったきっかけは、神戸のとある小さな会社で中国人と知り合ったからだ。あれから、35年経った今、世の中にこれだけITが浸透していることも完全な想定外だし、まして、そのトップランナーとして中国が君臨するとは夢にも思わなかった。それは10数年前もそうだった。


すでにITやAIはビジネス利用だけの科学技術ではない。

国家の安全保障にも関係するし、地球の環境破壊の解決とも関連する。いわば人間の生活のために不可欠かつリスクを孕んだ社会インフラとも言える。

日本のこれからの役割がとても大切になってくる。

特にITに代表される科学技術の分野では、すでに追いつくことはないだろう。

ならば、世界の人たちが平和利用するような、調和、つなぐ、こういうあたりが日本の役割ではないだろうかと思う。

日本らしくないところで、勝負するよりも、歴史が長く独特の文化や行動様式を持つ日本ならではのAI活用を率先垂範したいものだ。


以上

近藤昇オフィシャルサイト

ブレインワークスグループ CEO 近藤昇