便利にはコストがかかる単純な事を日本人は忘れている

日本ぐらい世界で、海外の人から評判の良い国はない。

日本に訪れる観光客や日本で働く外国人の人たちの声からもそうだ。


ベトナムなどの新興国から見れば、明らかに日本は良くできている。

日本の30年、40年前ぐらいの感があるこれらの国から見たら、このギャップがあこがれや信頼感の醸成に寄与しているのは間違いない。


また、先進国のヨーロッパや米国の人たちの声も似たようなものがある。

特に、日本は美しく、親切で、便利な国という感じだろうか。


まあ、この3つ。日本人としては、こう評価されて嬉しくない人は少ない。色々と海外に行ってみて思うことは、清掃されている、清潔感がある、衛生的であるということなどが、確かに美しいという印象につながるのだと思う。


もちろん、自然の景観や古都などは、とても美しいが、世界に結構そういう場所はある。

また、親切でというところは、私は日本が特別でとは思わない。身近で言えば、ベトナムの田舎の方がよっぽど親切だと思う。

今回はこの話は割愛するが、どこの国でも田舎であればあるほど、思いやりや親切が溢れていると私は思う。言い換えれば相互扶助といえる感じだろう。


今日の主たる話題は、便利ということに焦点を当ててみる。

実際に、私も海外で活動することも多かったので帰国する度に、日本はとても便利だと気づく。

そういう感覚で考えると、新興国から日本に来ると、便利な国、サービスの行き届いた国という印象が特に残ると思う。


日本で、生活をする際の便利さを改めて考えてみる。

一つは、買い物がある。

日本には全国に相当なコンビニがある。24時間オープンの店も沢山。だから、いつでも好きな時に、生活に関するものは手にはいる。


AMAZONはすでに世界企業だが、日本での突出したところは、配達が早いということだ。翌日には普通に届く。コロナ禍も手伝って、今は何から何まで、誰かに運んでもらうようになった感がある。


常識的に考えたら、物流への負荷は相当高まっていると想定される。

実際、日本は全国つづうら浦、舗装されたきれいな道のプラットフォームがある。めったに通らないりっぱな道路も田舎に沢山ある。

人口減少の今にしてみれば、こんなところに、道を造ってどうするのかという思いにもなる。


随分前から過剰気味だが、こういう交通インフラが充実していてこそ配達サービスが維持されている。


実はこのあたりを掘り下げていくと、もっと、深刻な課題が見えてくる。

日本で日常よく見かける運送用トラックには実はかなりの空きがある。

先進国の中でも、日本の空き率は高い。

車と言うのは、空いていても荷物が乗っていても、走ることによって同じコストがかかる。環境負荷も増える。


便利さだけを追求してきた結果だとは言わないが、これからの地球、これからの経済のあり方を考えたときに、こういう無駄は極力低減させないといけない。

しかしながら、一度出来上がってきた物流の仕組みやビジネスのモデルの再構築は至難の業だ。相当な時間を要すると思う。


一方で、生活者の学びも必要で、私たちが生活するうえで当たり前になってしまった便利な社会、便利な仕組みというのは、実は、相当なコストがかかっている。その結果、様々な資源の無駄遣いになっている。環境に関してもマイナス影響が沢山ある。


企業側は無駄を承知の上で、生活者の利便性向上を中心に仕組みを作っている。商品を売り、サービスを提供する。

当然、そのコストは直接、間接問わず、消費する側の価格にオンされている。

これは悪循環の最たる例である。

どこかで、好循環のサイクルに転換しないといけない。そのきっかけは、生活者の意識の転換と学びであるのは疑う余地はない。


以上

近藤昇オフィシャルサイト

ブレインワークスグループ CEO 近藤昇