コミュニケーションツールが乱立する時代の落とし穴

仕事でもプライベートでも、トラブルやピンチの時は、迅速さが求められる。

今発生している状況や問題を、しかるべき人に伝えることは何よりも重要だ。


火事であれば消防車。事件であれば警察。健康上の不具合であれば救急車。

もちろん、こういうケースに遭遇することはそうそうないが、たいていの日本人はいざとなれば、この連絡先は知っている。

電話でしかるべき番号にかける。あるいは、そういう余裕すらなければ、身近な人に電話を頼む。


プライベートで言えば緊急対応の最たることだ。

今の時代でも、こういう緊急事態にメールやSNSを使うことはまずない。

SNSは大地震などの災害時には推奨されているが、これは電話が大混雑して通話不能になる事を想定しているから例外的な話で、やはり、電話が第一の選択になる。

特にメールはどうかと言えば、これには、あまり期待できない。

メールは相手が自分の望み通りにタイムリーに開封するかどうかは分からない。


こういうコミュニケーションを仕事で考えてみるとどうなるだろうか?

ここ数年で一気に、SNSがビジネスの場でのコミニュケーションツールとして拡がった。最近はビジネスチャットが日本でも世界でも使われている。


感覚的には、メールよりインスタント性が高く、手軽でスピーディといった理由が挙げられる。確かに、親しい人とのやり取りは、断然こちらが良い。メールだと、どうしても融通が利かず、形式ばった内容になりがちだ。

即効性や速報性が欲しいときには冗長である。


SNSとビジネスチャットの違いは、公私の区分だ。SNSは基本的にはプライベートで使うツールなので、公私混同が起こりやすい。

そうすると、ビジネスシーンでの緊張感が薄れ、今どきの情報漏洩リスクや発信した情報での風評などのトラブルを誘発するリスクがある。


だがら、SNSをビジネスに使う時は、相当な注意とルール作りが不可欠である。


ビジネスのトラブル対応などでこれらのツールがどれほど役立つか考えてみる。

SOSのサインであればSNSは即効性がある。


例えば、今、お客さんから大クレームをもらいました。これは瞬時に伝わる可能性がある。しかし、そもそもSNSは性質上軽い。緊急事態であることを伝えるのはできても、状況説明になると電話が格段に上だ。

メールでは欠点が顕著になり、伝達が遅延する可能性がある。これはメールそのものというよりも、今の時代、メールを即効性で使う人が減ってきているからである。


最近、私もメールは電話やSNSに比べると確認するサイクルが数日単位ということもある。

もちろん、メールを頻繁にやり取りしている事象や相手では、毎日気にはするが、それでも即効性はない。


即効性と言う意味では、SNSか電話だが、SOSと違って、その当人がやってしまった重大なミスや顧客からの大クレームは、昔と変わらず、電話でのコミュニケーションを最低ラインとするのが正しい。


もちろん、こういう時こそ、直接会って話しするのが一番だが、緊急であるほど難しい。場所が違えば、やはり、会う事は難しい。


電話の何が良いかと言えば、感情が伝わる。テキスト情報と違って、話し言葉でやりとりすると、悪い出来事の状態がつぶさに把握できる。気持ちも伝わる。


この20年近く、メールやグループウェアが普及して、企業や社会の情報共有化は一見進んだようには思えるが、緊急対応の時は、やはり、電話が一番有効である。

もちろん、今のSNSは通話機能が付いているので、その機能を使うことも含めての電話である。


以上

近藤昇オフィシャルサイト

ブレインワークスグループ CEO 近藤昇