上司が忙しそうだからと遠慮しているうちは一人前になれない

新入社員のときに、たいていの人が陥る心境がある。

この時期は、右も左も分からない時期で、本当は色々と教えてもらいたい時だ。自分の教育担当の先輩が固定される場合もあれば、そうでない場合もあるだろう。質問や確認が生じたときに、すぐに聞けるのが理想的ではあるが、なかなか、思いようにはいかない。


先輩はたいてい皆忙しい。

だから、なかなか、聞きそびれたり遠慮したりすることになる。普通は、こういう経験を積んでいくと、だんだんと、上司や先輩に質問する時間を取ってもらうコツが分かってくる。

誰しもが新入社員の時に経験することだと思う。私もそうだった。


ところが、不思議とこれと似たようなことが、中途社員でも発生することがある。

中途社員は、転職したばかりだと、属している組織にどんな社員がいるかを把握するのに時間がかかる。

しかし、普通で考えれば、新入社員とは違うわけだから、仮に不慣れな職場であっても、仕事を進める上での障害になるようなことは上手にこなしていくのが期待されるところだ。即戦力として採用するのが中途社員であり、仕事のやり方を知っていた当たり前だ。


ところが、期待に反して中途社員の仕事がスムーズにいかなくなる時がある。そんな時、理由を尋ねると、忙しそうだから、聞くタイミングがなかった。確認するタイミングがなかったと平気で言う人がいる。


新入社員ならまだしも、経験者が“相手が忙しそうだから、聞けません”というのであれば、それは“自分は仕事を分かっていません、できません。”と宣言しているのと同義である。

なぜならば、仕事は忙しい人に集中するという法則がある。今や常識中の常識であるが。


新入社員がよく間違えることがあるのが、面倒見がよくていつも相談に乗ってくれる先輩がいたとして、果たしてその人は本当に仕事ができる人だろうかと考えてみることも大切である。人間は、えてして自分に甘い人になびく。


新入社員の時は、誰しもそういう傾向に陥るが、経験を積んでくると、仕事ができる人の特徴が理解できてくる。そうすると明らかに仕事ができる人が忙しいと言う当たり前すぎることに気づく。


その上で、忙しそうにしている人に、タイムリーに迷惑をかけずに確認をする、報告をする、質問をするコツを身に付けていく。


やがて、立場が逆転して、自分が忙しい人になる。その時に、新入社員や部下が、質問しやすいようにわざわざ仕向ける必要はない。それをすると今度は過保護になるだけである。


仕事には、基本的なスキルは欠かせない。仕事ができる人を正しく理解するスキルもそのスキルの一つである。


正直言って、中途採用組で、“皆さんが忙しそうにしているので・・・”という言い訳付きで、仕事の成果が芳しくなければ、その社員は仕事ができない人であることは疑いの余地がない。


実は、ベトナムなどの新興国でも、こういう傾向はある。

特に10以上前は顕著であった。

まだ、ビジネス社会が未成熟であって、理想的な仕事ができる先輩や上司が皆無だった時代が長かった。こういう時のマネジメントは極めて難しかった。


部下は上司に聞くのが仕事、上司は部下の質問になによりも優先して対応する。こういう構図が出来上がってしまうと、組織としての成果はほとんど期待できない。


流石に、日本ではこういう事態にはならないにしても、日本でも中止半端な優しいだけの上司が存在する組織は乱れる。


どこの国でも同じだが、仕事ができるようになりたければ、仕事ができる人=忙しい人とのコミュニケーション力を鍛えることが第一歩である。


以上

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ブレインワークスグループ CEO 近藤昇