農業ビジネスの多様さを改めて実感した
先日、ロハス農園を運営する中野社長の活動拠点、下関市豊浦町の川棚温泉街をたずねた。
随分前からご縁があり、昨年は、視察を兼ねた訪問を2度計画した。思わぬアクシデントもあり、なかなか実現に至らなかった。今回は、3度目の正直ということで、出張の日が近づくと、子供の頃の遠足気分でワクワク感が高まった。
私は、あまり山口県には縁がなかったが、一泊2日の短い滞在の中でも沢山の気づきと学びがあった。
梅雨の合間の快晴の昼下がり、新幹線の新下関駅で一行が集合。ここから車に乗って、山間の道を目的地に向かう。30分強で、川棚温泉街に到着した。
早速、中野社長が活動拠点としている山荘で、関係者顔合わせとなった。
何よりも印象的だったのが、ロハス農園さんで農業に従事する3人の社員の方々の溌溂とした表情。お互いの自己紹介を経て、早速、農園の視察に出かけた。
農業の現場はいつもワクワクする。
私は、農家出身なので、たいていの野菜の栽培が生活の身近で行われていた体験がある。なす、ピーマン、玉ねぎ、サトイモ、カボチャ、スイカ、瓜、葉物野菜など、農場を訪れるのはいつも懐かしさと重なって楽しみが多い。これは、ベトナムやアフリカでも変わらない。農業は人間の営みの原点だと思う。
ロハス農園は、以下のような理念で中野社長が運営している。HPから引用する。
私たちは、自然環境に調和した有機農業を推進し、安心安全で健康に利する農作物を供給し、人々に喜ばれる農業を広げていく。また農産物の高付加価値化や、農業の多面的機能を最大限に活かす農業を目標とし、生産者が『夢』と『誇り』を持てる農業を構築するとともに、次世代の生産者を育成し、世界の有機農産物市場の発展に大きく貢献する。
HPはこちらです。
ちなみに、有機農業とは何かを改めて、農水省のHPから参照してみる。
有機農業・有機農産物とは
我が国では、平成18年度に策定された有機農業の推進に関する法律(平成18年法律第112号)において、有機農業を「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業をいう。」と定義されています。
「有機農業の推進に関する法律」による有機農業の定義は以下のとおりです。
・化学的に合成された肥料及び農薬を使用しない
・遺伝子組換え技術を利用しない
・農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減する
農業生産の方法を用いて行われる農業です。
なかなか、有機農業はハードルが高そうだ。と同時に自然を感じる農業であるのが分かる。中野さんのおっしゃる自然との調和である。
有機農業は、まだ、マーケットは小さい。
健康志向、自然志向が高まっている今、今後のマーケット拡大が期待されるが、やはり、有機農業は一般の農業に比べると、手間暇がかかる。大量生産も難しい。結果的に安定供給が難しくなる。
一方で、有機農業の根強いファンは少なからずいる。今までの日本の主たる農産物の流通ルートでは、なかなか、この両者がマッチしない。
今回の視察は、有機農業に関心のある方々が、全国から集まって、現場で体感、親交を温めながら、様々なアイデアを膨らますことが出来た。
川棚温泉街と豊浦町の街の魅力も合わせて紹介したいと思う。
山から海にかけて、なだらかな斜面になっていて、中野さん曰く、有機農業の環境としては最高であると。
名門のゴルフコースやヨットハーバーもある。
宿泊したグランドホテルの経営者とも意見交換した。今までは、外国人観光客はほとんど訪れていなかったと伺った。
日本の地方は、コロナ禍前のように、インバウンドに頼り地域を活性化することだけでは、新たな展開はないだろう。働き方も大きく変わった。ワーケーションをもじって、農ケーションも話題になっている。
私は、新興国での農業視察も数多く行ってきた。
新興国の発展の鍵は工業よりも第一次産業と確信しているからだ。
ベトナム、カンボジア、タイ、インド、ルワンダ、ウガンダなど・・どこの農業もオリジナルである。未発達ゆえに純粋な有機農業とも言える場所も多い。地産地消が食の原点だ。物流による環境負荷の低減にもなる。
しかし、世界的な物流の発達で、地産地消もマイナーな考え方にもなっている。これからの農業は日本だけでなく世界でも地産地消の原点に返るべきだと思う。自然と調和する有機農業こそ、地産地消に最適だと思う。
しかし課題は山積している。
ロハス農園の有機農業を直に体感して、今思うことがある。
生活者にとっても地球環境にとってもメリットの大きい有機農業。この普及とファン創りに少しでも貢献しようと決意がさらに強くなった。
以上
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