なぜ上司は、結論から先に言いなさい、というのか改めて考えてみた

人が結論から先に求める最大の理由は、時間の節約である。
 
社会人駆け出しのころは、私も上司から“結論から先に言いなさい”とよく言われたものだ。
最近、私は“結論から先に言いなさい”と言われた記憶がない。もっとも、今、組織のトップだから,流石に部下からこう言われることはないだろう。(心の中で思っている部下はいるとは思うが・・)
 


 
社外で考えても、仮に私にそう思っている人がいたとして、今の私の立場に対して、遠慮してくれていることもあると思う。
 
一方、私が人に対してどうかと言うと、社員に対しては、しょっちゅう、結論から先に言いなさいを使っている。
私の理由はシンプルで、時間があったとしても、とにかく“結論から先に聞きたい”からである。こういう職業をしていると、たいてい、せっかちな人が多い。ただ、そういう性格的な事だけでなく、思考回路がそうなっている。
 
結論から聞いて、さらに聞きたいことがあったら、詳細や経緯を聞く。これが一般的だと思う。私の場合は、結論や結果を知ったうえで、詳細や経緯をじっくり聞きたいのだ。それが頭の訓練になるし、話を聞きながら焦点が絞れる。
 
だから単純にせっかちなだけで言うのでもない。
結論や結果を聞かずに、人の話を聞き続けると、どこに焦点を絞ったらよいか分からないしとにかく頭が疲れる。私の仕事は人の話を聴く事がすべての出発点なので、余計に聴き方を意識している。そんな訳で、結論や結果を先に聴きたいのである。
 
だからと言って、社員以外には“結論から先に言って”と言ったこともないし、実際は言えない。
だから、相手のペースに合わせる。
気分を害されてトラブルになってはいけないし、人間関係を大事にしたいからである。
 
私は20代の時のある出来事が脳裏に焼き付いている。ソフトウェア開発の発注側の責任者から、業務内容の説明を受けていた時の事だ。その人は、10ページぐらいの仕事の進め方などに関する説明書を私に見せながら、読み始めた。数分たった頃、私は我慢できなくて、読めば分かります。と話を遮った。当たり前のように、その場は気まずい感じにはなったが、なんとなく終了した。
 
ところが、この事が尾を引いて、2か月ほどにわたって冷戦状態が続いた。必要最低限しか、口をきいてくれなくなったのである。
これ以来、社外の人には、直接的にはこういうことは言わないようにしている。
 
今の私の仕事は、立場的には、自分が、相手に報告や提案をする機会より、自分がされる機会が圧倒的に多い。自然と人の話を聴く時間が多くなる。だからこそ、効率的にテンポ良く仕事をしたい。
 
世の中には、結論から先に言えない人が本当に多い。キャリアはあまり関係ない。
もちろん、私も、今でも社外の相手によっては、結論から先に言えないことも多少はある。
若いときは、上司への進捗遅延やお客様のクレーム対応には、どうしても回りくどく、言い訳がましく説明することも多かった。
 
なぜ、人は結論から先に言えないのか?
理由はそれぞれにある。
丁寧に順番に話さないと気が済まない。あるいは、自信がなくそういう順番でしか話できない。
進捗遅延やトラブル、クレームなどの良くない話の時に、結論から言うことを、心理的に逃げたい心境も考えられる。
 
子供の頃私もそうだった。家の窓ガラスを割って、バレているにもかかわらず、なかなか、親父に言えなくて、堪忍袋の緒が切れて怒られた経験が忘れられない。
 
そもそも、結論から先に言う事のメリットを知らない。仕事の正しいやり方を知らないということもある。こういう人の修正は可能だ。
 
しかし、根っこが深い人もいる。
ごまかす人、誠実でない人、言い訳がましい人は、なかなか、修正できないと思われる。
 
結論から先に言う方が、高い確率で仕事がうまくいくことは明白だ。報告の内容よりも、結論から先に言うことの方が大事である。
だから、社会人になったら、シンプルに、まずは、“結論から先に言う”訓練をした方が賢明である。
 
以上